【オーナーカワイの独り言シリーズ】ノープランシンドローム



 『ノープランで来たんですけど』

 ツアーや予定を予め決めた旅行も楽しいしノープランでフリーに楽しむ旅行も楽しい。どちらが良いとか悪い楽しい楽しくないとかではなく違った面白さがある、ようは使い分けでそのときの気分や予定にあったほうを選択するのがいいのだろう。ただ昨今この『ノープラン』を無理やり(もしくはそれに準ずる)多用し過ぎな人がいるような気がする。それは、

 『ノープラン』というものが“手段”ではなく“目的”となってしまっている

 ってこと。なにも『ノープラン』で旅行するのが悪いと言ってるわけではなく予定調和にない出会いやたまたま入った地元のお店がちょーーおいしーーってことはフリーな『ノープラン』ならではの醍醐味だよね。ただこの『ノープラン』は旅の中の“手段”としての『ノープラン』だからこそ味わえることなのであっていいことなのだが、私が最近うーむと思うのはこの『ノープラン』が“目的”となってしまう人たちのこと。『ノープラン信仰』とでもいうものか?具体的にいうと『ノープランで北海道きました』というのは北海道に『ノープラン』でくることがその方の今回の旅の“目的”となってしまっている、じゃーノープランで北海道きたけどいまからどうする?って話。だって北海道にきた時点であなたのノープランで北海道きちゃったその旅は終わったのだから。『ノープラン』の醍醐味ってそういうことじゃないと思う。例えば、今日小樽行こうと思うけどまだお店も決めてなくってノープランなんすよ、小樽はやっぱ寿司っしょ?どこか美味しい寿司屋ないっすかね?っていう風に『ノープラン』をその旅の“手段”にしているから旅が“ノープラン”というスパイスによって一層ひきたって楽しくなるわけであって。もちろん自分の旅は自分だけの旅で自分だけのものだからその方が『ノープランで北海道にきちゃった』でも別に私はいいんですけど、けどね。ここからが今回一番言いたいことなんだけど

 『自分の旅の動機や楽しみを他人に押し付けんな』

 ってこと。『ノープランで北海道きちゃった』っていう人は例外なく『ノープランなんで』という言葉を連呼します。そして例外なく『どこかいいところないですか?ノープランなんで』『何をしたらいいですか?ノープランなんで』『どこいったらいいですか?ノープランなんで』『なんか楽しいことないですか?ノープランなんで』etcetcお前はノープラン星から来たノープラン星人かよ?
 ゲスト様が望んでいる要望や希望は可能な限りお答えし叶えるご希望にそった形で提供することを常としております。行きたい場所、したいこと、自然の豊かな場所、美味しい寿司屋さんやラーメン屋さん、美味しいパン屋さん、レンタサイクル、レンタカーなどなど聞かれましたらできうることは叶えてあげたいじゃないせっかくわざわざ札幌まできてくれたんだからさ、ですがそれはあくまでゲスト様の目的が『北海道にきたから美味しい魚を食べたいのでいい寿司屋さん知らないっすか?』のようなクエスチョンがあってのここが美味しい寿司屋さんですよというアンサーになるわけで、このノープランシンドローム(ノープランで来てる私どう?と思われたい人たち)は明らかにクエスチョンの情報量が少な過ぎてそのゲスト様が満足するアンサーをだすことが難しいということです。『美味しいお店知らないっすか?ノープランなんで』『何食べたいですか?』『うーん何がいいすかね?ノープランできたんで』札幌のおすすめの食べ物を(ラーメンどうですか?スープカレーどうですか?って何個か)紹介してもこんな感じの会話が続く。『スタッフさんが思うなんか楽しいことないっすか?ノープランできたんで』っていう質問されたら『俺は部屋でパソコンしてんのが一番楽しんだよ』って言いたくなるよね。チェックアウト後にリビングスペースでこれからの旅行の予定をたてるでもなくただソファーで居眠りをして16:00にようやく起きて『どこか野宿するのにいい場所知らないっすか?ノープランなんで』って聞くのがノープランで北海道にきた醍醐味なのかい?ノープランって言って野宿して旅すんのがカッコいいとでも思ってんのかね?あてのない旅とか?明日をみない旅とか?それはそれで目的をもってやってるのならいいけどさ、自分は旅するときはノープランでいなきゃいけないみたいに縛られることをやめませんか?もういちいちノープランなんて言葉に囚われないで、プランがあろうとなかろうとノープランなんて言葉を使って自分が旅する動機や目的を他人任せにしないで

 『そろそろ自分で決めて自分の足で歩き初めてみませんか?』

 それが一番ノープランってやつだろ?

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